2010年1月30日土曜日

カギを握るのは?



娘がまだ小学生の頃、
青と白の糸のミサンガを、私につくってくれた。
「これを腕につけていて、切れたら願いが叶うんだよ」
と言って渡してくれたが、幼い子供がつくったものなので、
長さが短く、とても腕には巻けなかった。


しかし滅多にそういうことをしない娘がつくってくれたので、
全然つけないワケにもいかず、
とりあえず、クルマのキーホルダーと一緒につけていた。


ちょうどその頃、私はクルマの運転がうまくなりたくて、
かなりストイックな練習を開始していた。
なので「この糸が切れる頃にはうまくなりたいな」と思っていた。


それからというもの、あるときは一人で、あるときは友人と、
晴れの日も雨の日も、山道を走ったり、ミニサーキットを走ったり、
気がつけば、8年が過ぎていた。

(その様子はDoT. Clearance Cardにて http://www.dot98.com/


そして昨年、そのミサンガがついに切れた!


クルマの運転は?というと、
私の師匠でもある友人レベルにはほど遠いが、
最初の頃から比べると、だいぶ進歩があった。


それはヘタクソな私を、気長に教えてくれた友人のおかげで、
諦めずに少しずつ続けていけたからかも知れない。


このブログタイトルの「スロー広告」と同じで、
私は「“ゆっくり”と速くなった」のだ。


とかく社会は、子供たちに早く結果を出すことを求めてしまう。
私もそれまでは、娘に対して知らず知らずのうちに
それを求めていたように思う。


しかし、あの友人とのドラテク訓練のおかげで、
そのときの娘の立場を、
自分でもリアルタイムで経験することができたのだ。


「スロー教育」は、何もしないでゆっくり見守っているのとは違う、


“何もしていない”ようで、
その人に対して、様々な思いをめぐらせて考え、
あたかも自分でそれを選んだかのように
優しく導いていくものだと思う。


私も多くの人によって導かれ、
ゆっくりとデザイナーになっていったように...


さて、見事ミサンガが切れてドラテク向上の跡も見られた私は、
広告代理店の方の餞別を買うついでに、
いつも行くカッシーナ・イクスシーで、
クルマ用の新しいキーホルダーを買った。
(家用のカギは娘からもらったダサダサキーホルダーなので...)


10年前のクルマで、高級車でもないのに、
ちょっとキーホルダーの価格が高く、
見た目もつり合わない感じだけど、
まァ、そこは個人のキブンの問題だから、
ささやかなご褒美?ということで...


買って帰って家族に見せたら、
「高っ!!」と一言。(-.-;)


そして今回、ミサンガをブログに取り上げるので、
娘にあのときの話を聞いてみたら、
「あ〜、あれね、あれは余った糸でつくったから短くなったんよ」
ということだった...orz


私の「スロー教育」は間違っていたのだろうか?...(ToT)

2010年1月28日木曜日

そこに行くワケ






私は何か贈り物を買わなくてはいけないときは、
殆どと言っていいほど、
カッシーナ・イクスシーに行くことにしている。


別にブランド主義とかそういうのではなく、
そこがとっても行きやすく、お店の雰囲気とは違って、
意外と気兼ねなく商品を買えるからだ。


だからこのお店がそこにできてからずっと通っている。


普通こういうショップは、
百貨店とか繁華街の中心地にあるものだが、
そういうところにあるのではなく、
なぜか閑静な住宅街の中に、
もの凄いブランドのオーラを出すこともなく、
さりげなく存在しているところが気に入っている。
(なので最初の頃は道がなかなか覚えられなかった)


そして別にお洒落して行かなくても(笑)、
普段、シゴトをしている格好で行けて、
駐車場も目の前にあるのでアクセスもドア トゥ ドアで
非常に便利が良くて、ムダな時間とお金がかからない。


それはもう主婦がスーパーに野菜を買いに行く感覚と同じだ(笑)。
(カッシーナ・イクスシーさんスミマセン...)


最初に行ったのは、お世話になった広告代理店の方が
辞められるときの餞別を買うためだった。


未婚の女性の方だったので、店員さんに
予算だけを言ってセレクトはおまかせした。
そのときアレッシーというブランドで
「自殺くん」というようなネーミングのお風呂のグッズを勧められた。


確か、お風呂の水が一杯になってくるかどうかすると、
人形の首のひもがどんどん締まっていくというようなものだったが、
さすがにそのイタリアンジョークは受け入れられなかった(笑)。


もうひとつ、気に入っているところは、
お店に入って、こちらが放置してほしいときは、
店員さんが、野放し状態にしてくれること。
最初行ったとき、「写真撮影はさすがにマズいだろうな...」
と思いつつダメもとで聞いてみると、
二つ返事でOKだった。(今はどうか分りません)


とにかくガツガツしていない感じで、
商品を決めてから支払い、特にラッピングまで
結構時間を費やされて(ものすごく丁寧)、
他のお客さんが来られていてもペースは変わらない。
なので気の短い人はあまりオススメできない(笑)。
私はだいたい平日に行くので、
いつも貸し切り状態になっている...(笑)


「あのお洒落な街角に、あの○○○ブランド堂々オープン!!」とか言って、
スタートはすごく立派な装いで華々しく登場するけど、
数年後、広島から撤退とか、そのまま消えていくものが多い中、
有名ブランドにも関わらず中心地にショップを置かず、
いつ行っても変わらないおおらかな雰囲気を保って、
“長々とそこにある”というギャップが、
私にはとっても好感がもてる。




何でもスタートさせることは、頑張れば何とかできる。
肝心なのは、それを続けていけるかどうかだ。
私はそれは「スロー広告」が鍵を握っていると思う。


その私の考える「スロー広告」については、
また追々に話せればと...

2010年1月25日月曜日

続・それぞれのスロー広告





Live Cafe JIVEでSTAXのライブを見終えて、
ちょうど土曜日から日曜日に変わる頃、
先輩デザイナーと二人で今度は、
並木通りにあるSALAVINというお店に行きました。


そこはdoradoさんという方がやっておられるお店で、
15年くらい前、先輩デザイナーと一緒に
おシゴトをされていた方です。
そのとき私も先輩デザイナーと
同じ事務所(所属は別)内にいたので、
よくお話しさせてもらっていました。


当時の私は、広告のシゴトを始めたばかりで、
しかもデザイナーとして何の教育も受けていないにも関わらず、
やる気だけを買ってもらい、
先輩たちのグループに入れさせてもらっていました。
※正式にはもう一人の先輩デザイナーに雇ってもらっていました。
(それは、また別の機会に紹介していきたいと思います)


その先輩二人と私を含めたグループをPowersと呼んでいました。
その事務所は1 階にあり、
道路側の壁が全面ガラスになっていたので、
打合せに来られたお客さんのクルマが
すぐに分るようになっていました。


あるとき、私が慣れない手つきであくせくシゴトをしていたら、
そのガラス越しに、真っ黒なアルファロメオの
オープンカーがやって来ました。
※そのオープンカーは、常に屋根が開いており、
 閉まっているのを殆ど見たことがありません。


そこから降りて来られたのがdoradoさんだったのです。


いつもdoradoさんが入って来られると、
事務所の空気が一瞬に変わります。
どんなときも細身の黒いスーツに白いシャツで、
最初私は、「結婚式の帰りかな?」と思っていました(笑)。


基本的にdoradoさんのシゴトは、先輩デザイナーの方でしたので、
私は一番奥の席でゴソゴソやっていました。


でもdoradoさんは、そんな冴えないかけ出しの私にさえ、
よく声をかけてくださったのです。


「tenちゃん、元気?!  それイ〜ネ!!」


そんな何気ない一言が、
くじけそうなあの頃の私の支えにもなっていました。


ある日、私は担当していた不動産情報誌の
海辺のマンションの広告をつくることになり、
当時からコピーも興味があったので、
そのデザインとコピーを考えていました。


そんなとき、またdoradoさんが来られて、
先輩デザイナーと打合せをされていました。


奥の席からそれを見ていた私は、
「そうだ、敢えて都心ではなく、海辺のマンションを選ぶのは、
もしかしたら、doradoさんみたいな人じゃないのか?」
と思いついた私は、一気にそのイメージでコピーを書き上げました。


そして、そのデザインとコピーは無事採用となり、
その思いついた流れを後日、doradoさんに話しました。


そのコピーの最後は、
「もう今夜はこのまま、TVのスイッチを入れることはないだろう」
で締めくくられているのですが、現在のdoradoさんの生活も、
やはりテレビや冷蔵庫、洗濯機のない生活を送られています。
(スゴいです。マネできません...)





あれから長い時間が流れましたが、
こうして今も私は、あの頃と同じように、
doradoさんからエネルギーをもらい触発されています。


実は、このブログのカテゴリー(ラベル)で「デザイン」の中にある
「何の写真でしょう?」で私が撮ったプレゼン用の写真は、
doradoさんが「食品トレー」を撮ったら、
きっとそれでさえも美しくなるのではないかと思い、
そのイメージでチャレンジしたものです。


doradoさんのようにはいきませんでしたが、
それでもなんとか少しは前進できたと思います。


その私が今も触発されているdoradoさんのブログ。
一つひとつ全てが広告をつくるときの
意識の高さとクオリティの高さ、そして完成度なのです!
もう7年も続いています。


ゆっくりとココロの赴くままに...


dorado radio




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2010年1月24日日曜日

それぞれのスロー広告






土曜日にLive Cafe JIVEであったSTAXのライブを観てきました。
先輩デザイナーがサックスを教えてもらっている
先生が出られているとのことで、
前からずっと誘ってもらっていたのですが、
今回、初めて行くことができました。


実は偶然なのですが、そこでギターを弾いているTさんは、
以前、ずっと一緒におシゴトをさせてもらっていました。
年齢も私と同じなので気も合い、
数々のプレゼンやオモシロいシゴトを
沢山やらせていただきました。


5年前、私があるシゴトで体の調子を大きく崩したときも、
Tさんが細かいシゴトの後始末を全部引き受けてくださり、
そのまま私を病院まで連れて行ってくださいました。
(私はそのまま緊急入院となり一ヶ月近く入院しておりました)


そのとき退院してから一度、Tさんのライブを観に行きました。
今回はそれ以来のことになります。


確かあのときTさんが、私が走りに行っているミニサーキットに
興味があると言われたので、お礼も兼ねて後日、二人で行きました。


Tさんに、その臨場感を少しでも味わって欲しくて、
助手席に同乗してもらって走りました。


タイヤが暖まって、そこそこのペースで走り始めると、
Tさんは、前日に飲み会があったせいもあり、
「吐き気がしてキブンが悪いので、降ろしてもらえませんか...」と
すぐに降りて、あとはずっと私の走りを撮影してくださってました。
(あのときはスミマセンでした...)m(_ _)m


しかし今回のライブはTさんの、あのときのリベンジだったのか(笑)、
迫力あるリズム&ブルースが今度は私の全身に突き刺さりました!


そのときの模様を撮影したので載せておきます。




















こちらは、1stステージと2ndステージの間に歌われた方です。
ハッキリとした言葉で優しく、力強く歌っておられました。
ピアノの弾き語りも良かったです。





















最後に記念撮影





ライブが終わって、メンバーの方たちとワイワイやってたら、
いきなりギター1本での演奏がはじまり、
もの凄い迫力と繊細なテクニックで、
残っていた人たちを魅了していました。
(こちらの従業員の方らしいです)


その風貌と演奏のギャップに皆おどろいていました。




本当に内容の濃い、久しぶりのライブ体験となりました。


ありがとうございました。